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モンハン落語 『野晒し』

2009年10月09日 04:23

えェ、一席お付き合いを願います。

番付というものがございますなァ。相撲に限らず色んな所でもって
この番付というものをやるン。
中にはモンハンで『ばかの番付』というものを拵いた人もいるそうで、
西にはアイテムボックスをハチミツで1ページ以上埋めたなんてえ人もいまして、
……どこかで身近で聞いたような話ですがね。

東のってェと、これが『釣りをするハンター』だそうで。
大勢のハンターは釣りクエストというものを良く思ってなかったようで。

「やつらぁ、おめえ、銭を出して買うのが惜しいもんだからよォ、
 ただで漁ろうと思ってやがってなア。
 一ン日ただ釣り糸を垂らしてやがって、あんな馬鹿な奴ァいねえ」

なんてんで、これが東の大関に収まったン。
で、中で一枚横綱がありまして、何がてえと『釣りをする人を眺める人』だってン。
なるほど、これの方が一枚上手なんですねえ。
釣れた魚が自分の物ンなるわけじゃぁない。
ま、けれども好きな人になるってえと、わきで見てるのが楽しいって人もいるそうです。

「兄貴ィ、こないだねえ、馬鹿な野郎を見たよ」

「どんな奴だい」

「それがねぇ、素材ツアーでずっと釣りやってる奴がいンだよ。
 まあそれは自分の楽しみでやってるから良いんだけどね。
 それを50分ずーーーっと見てるやつがいたよ」

「嘘だろ、いくら好きだからって、そんな長い間ァ見てる奴ァいねえよ」

「本当だってよォ。俺ァその見てる野郎を後ろからずーーーっと見てたんだから」

ってんでね、上には上がいるもんですな。

 
 
 
「どうしたな、八っつあん。やけにご立腹の様子だな」

「ご立腹ゥッ!?冗談じゃないよゥ、ええ?ご隠居、あんた普段から何て言ってン。
 『私はもうそういったものを越えたから、ご婦人には惑わんよ』
 ってえ調子の良い事をぬかしぁがって。
 夕べのあのざまは何だい、ええっ、何だいっ!」

「あたしが夕べどうかしてたかい」

「どうかア?とぼけてやがるン。本当に、ねえ、あのざまは何だいっ、
 あの女はなんなんだいっ!」

「声が上ずってやがるね。あたしが女をどうかしたって、何の話だね」

「ようし、そこまでしらばっくれるンなら、俺ァ昨日の事言うよ。
 ご隠居、あんた俺に『美味いサシミウオを釣ってくるから酒の用意をして待ってろ』
 こう言ったね?こっちァ良い酒拵いて待ってたン。ええ、秘蔵の黄金芋酒だよ!
 でもおまはんいつまで経っても帰ってこない。
 こっちア癪にさわったから一人で一杯やって寝ちまったんだよ、ねえ?
 で、夜中に喉が渇いて水を一杯飲んで、さあまた寝ようと思ったら、
 おまはんの部屋からボソボソッと女の声が聞こえるじゃあないかィ!
 こっちァねえ、気になったから正式採用回転機械槍でもって壁に穴ァ開けて」

「おいおいおいおい、お前さんかァ、あの穴を開けたのは。ええ、いけませんよ」

「いけませんも何も、いけません事してたのァ、ご隠居、あんただろっ。
 見たよッ!見ました。キリン装備のいい女だったねえ、年の頃なら十六、八」

「お前さん、それを言うなら十六、七か、十七、八だろう。七はどうした?」

「へい、七は質流しした」

「くだらない事言うんじゃないよ!」

「それより、あの女、キリン娘ァどこの女だァ!」

「また始めたな。うん、そうか、見られたなら致し方ない。
 お前さんも知っての通り、あたしは昨日雪山へ釣りに出かけたね。
 ところが間日と言おうか、雑魚一匹かからない。
 まあ、こんな日は殺生をするなと天が戒めてるのかと思っているとな、
 どこで啼いているのか獣の咆哮が陰にこもって……
 『グオォオォオオォオォォオオォォォオーン』
 と響いたなあ」

「ういひっひっひ、やだなあ、俺ァそういうの苦手なんだよ。
 ティガの声だったりしたらもっとやだよオ」

「四方の山々雪解けて水嵩勝る湖畔の上げ波で、ざぶーりざぶりと
 岸辺を洗う……水の音、凄いもんだなア。
 傍らの葦が風もないのに、がさっ……がさっ、揺れたかと思う途端にな」

「へぇ」

「ぱっと出たァ!」

「出たぁ!で、出たでたよ、出ちゃやだよ……さよなら」

「ちょっちょっとオッ、待ちなさい。
 お前さん、あたしがここに置いといた秘薬、懐ィしまったな」

「はっはっはア、見てた?いやね、俺ァ怖いなって思うと、
 落っこってる物を拾いたくなるン」

「馬鹿な事を言いでないよ。この間、村長の家にあった柱時計も持って行こうと
 したそうじゃないか」

「そうなんだよねぇ、あの柱時計ってやつア、どうにも拾いにくいン」

「落ちてるんじゃあない。エヘンッ、烏が数羽出てきてな、ねぐらに帰るには
 少ォしばかり時刻がおかしい。はて、何かあるのではないかと葦をわけて
 中へ入ってみると、そこに生々しい髑髏があったのなあ」

「ご隠居の顔にもある」

「それはホクロだ。髑髏だよ、つまり屍だ」

「コミケットサービスが使う郵便局のある」

「それは赤羽だ。ん、人骨、野晒しだな。かく屍を曝しているのを不憫と思い、
 あたしが回向してやった。
 『野を肥やす骨を形見に薄かな、生者必滅会者定離、頓証菩提南無阿弥陀仏』
 と三遍唱えてな、瓢に残っていた酒をその骨にかけてやる。すると気持ちのせいか
 骨がポォーッっと赤みをさして、ああ良い功徳をしたなと思い我が家へ帰り、
 夜中の二時と覚しき頃に表をひた、ひたと訪る者の気配が……」

「おおっとっと、どうしてご隠居はそう陰にこもっちまうン。
 もっと明るくやっておくれでないかいっ」

「まあそう言わないで聞きなさい。もう狩人を隠居したとはいえ、腕に歳はとらせぬ。
 長押に掛けてあった天上天下天地無双刀を手に取り、ツカツカツカツカと」

「ちょっちょっと、おまはん大仰だよ。そこに掛かってるのァどう見ても鉄刀Gだし、
 ツカツカツカツカなんてこの部屋そんな広くないだろう」

「それがまあ、演出というものだなあ。身に油断なくガラリと戸を開ける。
 『乱菊や、狐にもせよこの姿』
 夕べ八っつあんが見た婦人が音もなく入ってきてな、
 『あたくしは雪山に屍を曝しておりましたが、あなた様の回向によって
 浮かばれました。せめてものお礼に肩や腰を揉んで差し上げとうございます』
 と言われた時にそのまま帰したのでは不憫と思い、四方山の話にふけったと、
 ……まあ、そういうわけだ」

「へへーぇ、じゃあ夕べのあれは、あのキリン装備の娘さんは、その……幽霊?」

「不憫な話だが、そういうことだな。まあ、常に生死が隣り合わせの狩人家業……
 って八っつあん、あたしの釣具を持って行くんじゃない!」



ってんで、八っつあん大急ぎで雪山の釣りポイントにやって来ましたが、
そこでは別のハンター達が釣りを楽しんでおりまして、



「あらあらあら、こんなに人が来てるよ、話が早いねえ。
 おおーゥい、どうだーイ?骨ァ釣れるかーーーイ、釣れるかーーーい、骨ゥ!」

「お前の知り合いかい?」

「いいや、全く」

「ったく、五月蝿え野郎が来たなあ」

「何の骨ゥ釣ってんだぁー?新造か年増か、キリン娘かナルガ娘かザザミ娘かー!」

「……色気違いだな。あんなのとは関わらない方がいいな」

「だなあ」

「……なんだい、あいつら俺の事ォ無視しやがって。
 そんなに良い骨を渡したく無いって、いやだね了見の狭ェやつは……
 お、おっと、あったよありましたイ。
 この辺のに酒をかけてぇと、誰の骨かは存じませんが腰をさすりに来てくんなさい。
 ついでに他の所もさすってくれていいんだよ、グリーンダヨ!なんてねうっひっひ。
 えぇと、生者必滅会社定給不況退散南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏……」



八っつあんその辺にいくつか転がってた骸に酒をパーッとかけまして、
まあ大して有難くも無いお経を唱えて家に帰ってからのこと、



「……さあて、風呂にも入ぇった、髯もあたった、下着も替えましたよっと。
 さてもうそろォそろさすりに来てくれても良いんじゃないン?」

「(トントントン)……ごめん下さいませ」

「おおっと、来たよゥ今北産業!おめえさん雪山の骨かい?」

「はい……せめてものお礼にと、腰でもさすりに参りました……」

「フヒヒwww腰でもだってよ、もっと下でもいいんだよ。はいはい今開けますからね、
 ……ってお前ェさん、誰だィ?」

「……あの雪山でティガレックスに襲われて、命を落としたハンターです。
 あなた様の回向により『それなりに』浮かばれましたのでお礼に、と」

「ンな事ァ聞いて無えんだよ!男のキリン装備には用は無えんだイ!
 えぇ?じゃあザザミのとかァいねえのかい?」

「……私の後ろに控えておりますれば」

「アメフト野郎にゃ用は無いン!ガード性能付けてぇ、やられてんじゃないよッ」



なんてんで家の前で幽霊相手に喧々諤々。
「なんだい八っつあん、こんな夜中に煩くしてるね」とご隠居が顔を出したその時、
カツーン、カツーンと蹄の音が響き、ブルルルッヒヒーンという嘶きとともに
落雷が、哀れ八っつあんとご隠居にガラガラッピシャシャーンッ!と。



「……ううん、八っつあん……どこの馬の骨とも分からないやつを連れて来ちゃ、
 ゥ困るよ、なあ、全く……」

「いやァ……ご隠居、あれはキリンの骨でした



おあとがよろしいようで。


コメント

  1. Jirel | URL | jymnV9h6

    Re: モンハン落語 『野晒し』

    まくらから素晴らしい。
    いや、おみそれしやした。
    雪山の釣りポイント、ランゴがウザ過ぎて楽しみ半減ですぜ、旦那。

  2. ポンチ | URL | -

    Re: モンハン落語 『野晒し』

    こんにちわー!

    さすがTAPさん!
    今回も引き込まれてしまいました(o´∀`)
    「グリーンダヨ!」最高www

    またネタが出来上がるのを
    楽しみにしてますー!

  3. BAD | URL | -

    Re: モンハン落語 『野晒し』

    TAPさん天才だ!!!
    まず続きを押す前に大笑いしてしまいました^^

    凄い才能だなぁ~やっぱ天才は変人と紙一重と言うけれど・・・
    あれだけ採掘ばかり出来る変人はやっぱ天才なのですね~
    ってア・レ・これ誉めてる流れだよねw

    いやはや素晴らしい記事有難う御座いました
    そしてお疲れ様でした♪

  4. HIRO | URL | -

    この間はどうも有り難うございます!

    毎回素晴らしいですね!
    それにしてもハチミツで1ページ埋める方のお話しを読んだようなw

    私は一列で満足しました(^^;)

  5. TAP | URL | -

    >>Jirelさん

    返信遅れましてすみません。

    まくらはベタと言うかよくある件なんですが、
    もう少しモンハンネタを組み込めたかったかなと。

    ああ確かにあそこはランゴのポイントでしたねー。
    まあ、予め駆除してから釣りを楽しむと言う事でw

  6. TAP | URL | -

    >>ポンチさん

    返信遅れましたー(だが後悔は以下略

    始めはトライネタで書く予定でしたが、
    サゲをキリンにした方がしっくり来たので
    久々のP2G落語です。
    えェ、毎度くだらない噺を一席。

    頭の中にはもうネタが詰まってるんですけどね、
    それを起こす時間が無いとか(´・ω・`)

  7. TAP | URL | -

    >>BADさん

    返信遅れましてすみませぬ。

    小さん師匠の野晒しには到底及びもしませんが、
    楽しんでいただけたならこれ幸い。

    変態と天才は紙一重かもしれませんが、
    自分は常時変態側の住人ですよ。
    こういった噺を考えるのも妄想の内に入るんでしょうねえw

  8. TAP | URL | -

    >>HIROさん

    変身!遅れましたー。
    ゥライダァアアキーック!
    いや違った、返信遅れました。

    今回は原題の野晒しの色が強く出てしまったので、
    次回はもうちょっとパロディ色を強めたいですねえ。
    難しいけど、面白いもんです。

    ハチミツ収集再開しましたーヽ(´ー`)ノ

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